土地活用をする際は、地域の特性や注意点を押さえたうえで計画することが重要です。なかには、実家を相続し「売却したほうが良いのか。活用したほうが良いのか…」と悩んでいる人もいらっしゃると思います。
土地活用方法に関して、少しでも参考になれば幸いです。
土地活用をするべき理由
収益を得ていない土地や建物をそのまま所有していると、固定資産税や火災保険などの費用だけがかかり、家計に重くのしかかってきます。また、2015年に制定された空き家等対策特別措置法により特定空き家に指定されると土地にかかる固定資産税の優遇措置が適用されなくなり、税負担が重くなってしまいます。
もし何らかの事情で売却できないとか思い入れがあり売却したくないのであれば、有効な土地活用をして収益を得ることを選択肢に入れるべきです。
土地活用を成功させるアイデア10選
土地活用を成功させるアイデア10選は以下のとおりです。それぞれ、メリットやデメリット、向いている土地などを解説していきます。
- アパート経営・マンション賃貸経営
- 戸建て賃貸
- 駐車場・コインパーキング経営
- 太陽光発電
- 倉庫・トランクルーム経営
- サービス付き高齢者向け住宅
- 借地
- 貸し農園・市民農園
- 民泊経営
- キャンプ場
アパート・マンション賃貸経営
◯メリット:安定した賃料収入が見込めれば、事業として考えることができます。また、減価償却による税の繰り延べや、備品代や各種費用などを経費計上することができ、節税をすることが可能です。
×デメリット:人口数や駅からの距離などによっては、借主を見つけることが難しく空室リスクがあります。
向いている場所:駅から徒歩圏であることや大学や企業が近い場所など
戸建て賃貸
そのまま貸し出す
◯メリット:経費をそれほどかけることなく、借主を見つけることができれば収益率が上がります。
×デメリット:見えない瑕疵や突然の設備故障などが生じる可能性があり、急な出費が生じる場合があります。
リフォームをして貸し出す
◯メリット:最新のシステムキッチンやバスなど使いやすい設備があることで借主を見つけやすく、長く住んでもらいやすくなります。
×デメリット:建物によってはリフォーム箇所が多くなります。想定以上のコストがかかってしまう場合が想定され、賃料で回収しきれないリスクを背負う可能性があります。
向いている場所:駅やバス停から徒歩圏であること、車の利用がしやすい場所など
駐車場・コインパーキング経営
駐車場
◯メリット:月極駐車場はアスファルト舗装なら利用者の満足度が高くなり、賃料を高く取れるケースが少なくありません。また、小規模宅地の特例で相続税の評価額を下げることができます。
×デメリット:アスファルト舗装などは自らの経費で行わなければならず、コストがかかります。砂利敷きならコストを下げられますが、人通りの少ない駐車場だと賃料があまりとれないリスクがあるでしょう。いずれにせよ、費用対効果を考える必要があります。
コインパーキング
◯メリット:コインパーキング業者がすべての管理をしてくれるので安心感があります。立地が良ければ月極駐車場より多くの賃料収入が見込めます。
×デメリット:立地によってはコインパーキング業者の収益が見込めないため、コインパーキングにすること自体ができない可能性があります。
向いている場所:住宅街を含め、一定の人口がいる場所など
太陽光発電
日当たりが良い土地であれば、太陽光発電が選択肢となります。ソーラーパネルを設置して太陽光によって発電し、その電気を売ることで収益を得る土地活用方法です。設置に適したまとまった土地がない場合は、駐車場の屋根に設置する形もあります。
相続した土地が農地の場合、通常は農地転用の許可を農業委員会から得なければならないためハードルが高くなってしまいますが、農地に支柱を建てて設置し、下で農業を行うといった営農型太陽光発電という手法であれば一時転用という形で設置できます。
向いている場所:電力会社が電気を買い取ってくれるエリア
倉庫・トランクルーム経営
相続した家にガレージがあるものの、住宅と離れた場所にあるために使いづらいといったケースは、ガレージのみ倉庫として貸し出して収益を得る方法が考えられます。住宅や貸家に向かない場合などはトランクルームを設置し、普段使わない荷物を預けることができる貸しスペースも選択肢となります。
向いている場所:道路事情が良いなど、交通の便が良い場所
サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
相続した空き家を居室の広さや設備、バリアフリーなどの条件を整えたり、空き地に建物を建てたりして、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)にする方法もあります。
◯メリット:固定資産税や不動産取得税の軽減や控除が受けられる点が挙げられます。
×デメリット:まとまった土地の広さが必要で、投資額が数億円になることもあり大きくなります。また、質の高い介護サービスをしてくれる運営業者を見つけないと、運営に失敗するリスクが上がります。
向いている場所:景観が良く道路などでのアクセスが良い場所
借地
借地として地元企業や近隣住民に貸し出すこともできるでしょう。具体的には、企業の資材置き場として利用したり、事業用の建物を建築したりするケースがあります。
◯メリット:投資額が少なく済むのでリスクが小さいと言えます。土地の上に建物が立っている場合は解体する必要はありますが、新たな建造物は不要です。
×デメリット:2度めの相続となる二次相続で借地権を持つ法定相続人が多くなってしまい、借地権の買取や土地の売却が難しくなるというトラブルが起きたり、契約によっては土地の返還をすぐに受けられなかったりする場合がある点には注意しましょう。借主の使い方によっては、汚損や油の漏洩などにより土地の価値が低下する懸念があります。
向いている場所:資材置き場は主要幹線道路沿い
貸し農園・市民農園
相続した土地が農地で、相続人が農業者でない場合は、特定農地貸付方式という貸し農園方式で市民農園を開設することができます。利用者は一定の条件で農園区画を借りて作付けができる形で、利用者から賃借料を得て収益を得ることが可能になります。
ただし、農地の地域(市街化区域、市街化調整区域、ほか)や設備などで要件が異なったり、農業委員会の許可が必要となったりするケースがある点には注意しましょう。
向いている場所:都心だけでなく田舎や郊外でも可能
民泊経営
住宅を相続したのであれば、民泊として経営するのも選択肢の一つです。自然にたくさん触れられ、都会とは違う宿泊体験ができるなど観光客の利用が見込めます。
ただし、住宅民泊事業法により年間経営上限が180日とされており、一年中営業できないことからコストに見合ったリターンを得にくい点は認識しておく必要があります。
向いている場所:自然環境が豊かな場所、観光地に近い場所など
キャンプ場
広大な土地を相続した場合、キャンプ場や、道具やテントを用意しなくてもキャンピングを気軽に楽しめる施設のグランピング場として経営する選択肢があります。昨今、アウトドア需要が高まっており、有効な土地活用として考えられます。
ただし、用途地域を確認して、営業が可能かどうかの確認が必要となります。もともと農地の場合、転用ができるかどうかも重要です。グランピング場の場合、各種許可や免許が必要です。平地でない場合や、上下水道や電気が引かれていない場合、一定の整備コストもかかります。
向いている場所:自然環境が豊かな場所、車のアクセスが良い場所
最適な活用方法は人それぞれ異なりますが、土地は所有しているだけでも毎年安くない税金が掛かりますので、折角の土地を負の資産にしないためにも、積極的に活用して収益を生み出す方法を検討するのが得策だと思います。
ご自身のニーズに合わせて、最適な活用方法を比較検討してみて下さい。
農地の売却・有効活用が専門の(株)あやめ不動産ではお客様にとって有効・的確なアドバイスを心がけております
お困りの際はぜひご相談下さい(^^)