不動産の相続にかかるお金は「相続登記費用」と「相続税」
実家の家や土地などの不動産を相続するだけで、不動産の価値に応じた費用がかかります。
相続が発生してからあわてないためにも、あらかじめどれくらいのお金がかかるかを把握しておきましょう。
不動産の相続にかかるお金は、次の2つに大きく分けられます。
不動産の相続登記にかかる費用
相続税
□不動産の相続登記にかかる費用□
相続登記とは、家の名義を亡くなった人から相続した人に変更する手続きのことです。
相続登記には、次の3つの費用がかかります。
登録免許税
登記に必要な書類を取得するための費用
司法書士の依頼費用(自身で登記する場合は不要)
①登録免許税
登録免許税(とうろくめんきょぜい)とは、相続登記にかかる税金です。
相続登記の登録免許税は、不動産の価値の指標となる「固定資産税評価額」に、登録免許税の税率0.4%を乗じて計算します。
-相続登記の登録免許税の計算式-
登録免許税 = 固定資産税評価額 × 0.4%
固定資産税評価額は、毎年、市区町村から送られてくる固定資産税納税通知書に記載されています。手元にない場合は、役所で照会することができます。
②相続登記に必要な書類の取得費用
相続登記の申請には、亡くなった方と相続する人の戸籍謄本や住民票などを一緒に提出する必要があります。いずれも亡くなった人との関係性を証明するのに必要な書類です。
基本的な相続登記に必要となる書類や取得費用は、次のとおりです。
必要な書類 | 費用 |
亡くなった人の出生から死亡までの戸籍謄本 (複数の自治体で複数取得しなければならない場合もある) |
戸籍1通 450円 除籍等1通 750円 |
亡くなった人の住民票の除票または戸籍の附票 | 300円 |
相続人全員の戸籍謄本 | 1通 450円 |
相続人全員の印鑑登録証明書 | 1通 300円 |
家を登記する人全員の住民票 | 1通 300円 |
相続する家の登記簿謄本 | 1通 600円(ネット謄本の場合335円) |
1通あたりおよそ1500円が取得費用として別途かかるので、相続人全員分まとめて15通ぐらいで2万円以内ぐらいで依頼することができます
(相続人が多すぎると別途かかります)
ただし、印鑑登録証明書だけは司法書士でも取得できず、本人が取得しなければなりません。
③司法書士に相続登記を依頼する費用
スムーズに相続登記を進めるために、司法書士に報酬を支払って相続登記を依頼しても良いでしょう。
相続登記に添付する書類の取得は、ときに時間と手間を要します。
特に亡くなった方の出生から亡くなるまでの戸籍謄本を取得する作業は、亡くなった方の足取りを追って自治体を回らなければならないこともあります。
司法書士は「不動産登記」の専門家です。相続人に代わって登記申請する代理権を持っているので、複雑な相続登記でも必要な書類の取得から申請まで一手に任せることができます。
相続に関する揉め事がなければ、司法書士に依頼するのが一般的です。
法定相続人が誰かを調べ、どんな遺産があるのか調べるのを依頼すると平均6万円ぐらい、遺産分割協議書の作成も依頼するとさらに平均6万円ぐらいが追加されます。
先の説明した提出書類の取得も含めて司法書士に依頼すると、取得にかかる実費にプラス10万円ほどかかるとみておきましょう。
□相続税□
相続税とは、亡くなった人(被相続人)から財産を相続したとき、相続人が受け取った財産に課せられる税金です。
相続税の対象となるのは、相続した財産の総額になります。
不動産以外の財産があれば、相続税の対象はすべての財産を合計した額です。しかし、相続した財産が不動産だけであれば、相続税の対象となるのはその不動産の評価額になります。
不動産の評価額を算出する
家や土地などの不動産は、現金や預貯金のように金額を固定して計算できるものではないため、相続税評価額(そうぞくぜいひょうかがく)を算出する必要があります。
建物部分については、固定資産税評価額(こていしさんぜいひょうかがく)がそのまま相続時の評価額です。
戸建ての敷地や土地などの評価額を出すには、路線価(ろせんか)を使った計算が必要になります。
相続税評価額から基礎控除額を差し引く
相続税評価額のすべてに相続税が課税されるわけではありません。課税されるのは、基礎控除額(きそこうじょがく)や控除額などを差し引いた額です。
基礎控除額は、次のように計算します。
基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数
法定相続人とは、民法によって規定された一定の順序に従って相続人となる人のことで、配偶者と一定の血族(けつぞく:亡くなった人の血縁者)からなります。
まず、配偶者は必ず相続人となります。また、配偶者だけ相続するわけではなく、必ず配偶者と血族相続人が共同して相続します。
第1〜3順位の異なる血族相続人同士が共同して相続することはなく、あくまでも第1順位がいなければ第2順位といったような
順位で相続人となります。
つまり、故人の子と故人の親や、故人の親と故人の兄弟姉妹が一緒に相続人になることはありません。
相続税の配偶者控除
配偶者は亡くなった人の財産形成に大きく貢献し、生計をともにしていたことが考慮されるため、相続税が大幅に軽減されます。
配偶者の税額控除額 = 法定相続分相当額と1億6000万円のいずれか大きい額を上限
相続登記申請が義務化される
名義人が亡くなった人のままで、所有者がわからない不動産が近年増え続けています。
対策として「相続登記申請の義務化」が2024年4月1日から施行
相続税は納税期日に注意
相続税は相続開始(相続したことを知った日、通常は被相続人が亡くなった日)から10ヵ月以内に納税しなければなりません。
期日までに納税できない場合は、延納(分割して納める)することもできますが、延納期間中には利子税がかかるので一括で納税しようにもすぐに現金を用意できない場合は、家を売却したお金を相続税にあてることも可能です。
ただし家の売却には平均して4~5ヵ月かかり、不動産の売却代金で相続税を支払う場合はすみやかに相続登記をして売却活動を開始しましょう。
不動産を相続した場合は、相続登記や相続税などの費用が必要です。
相続した不動産の評価額によっては、相続税が高額になる場合があります。
相続した不動産の売却額から相続税を支払うことも可能ですが、相続税の納付期限である10ヵ月以内に売却しなければなりません。不動産の売却は、早くても3〜4ヵ月程度かかるため、早めに行動することが大切です。
相続した不動産を売却したい場合は、是非あやめ不動産にご相談下さい!!
不動産のように相続人の間で分けにくい財産を占める割合が大きいと遺産分割でもめる原因となります。そういった相続に関連するアドバイスができる
不動産屋だからこそ、「大切なご家族が争う事がないよう 遺産の分割方法を考えてみませんか?」