条件別の土地活用のポイント
🔸傾斜地
傾斜地は、平坦な土地と比較して、造成費用が高くなりやすいという点に注意が必要です。既に造成されているとしても、平成18年9月の改正宅地造成法よりも前に工事が行われている場合、現行の基準を満たしていない可能性があります。
-土地活用する際の注意点-
傾斜地を土地活用するには、様々なハードルをクリアしなければならないというのが現実です。
地盤改良が必要な場合も多く、そうした費用は当然ながらアパートやマンションなどを建設する際に追加費用となってしまいます。
その土地が既に造成地となっている場合、平成18年9月の改正宅地造成法の前か後かの時期が非常に重要になってきます。この改正によって、いわゆるひな壇型の造成地の基準がより高く引き上げられたため、それ以前の基準で造成された土地だと、大規模な地震で地すべりが発生する危険性があります。必ずチェックしてください。
活用方法とポイント
傾斜地に適した土地活用としては、太陽光発電が挙げられます。太陽光を遮る建物などがなく、傾斜が南向きであれば最適。傾斜が緩やかであれば北面でも設置可能です。万一、地滑りが発生したとしても人的被害は回避でき、再建費用も賃貸物件などに比べれば低く抑えることができます。
🔸旗竿地
旗竿地は、道路から奥まった場所にあるため、目立たないことがデメリットになってしまいます。飲食店や小売店などには不向きな土地です。出入りするための通路の幅の広さによって利便性が変わってきますが、戸建やアパートなどの賃貸や、駐車場などの活用方法が主になるでしょう。
-土地活用する際の注意点-
旗竿地の土地活用で最大のポイントとなるのが、通路部分の幅になります。法律では最低2mで良い事になっていますが、実際には2.5mから3m程度あることが望ましいと言えます。
例えば、賃貸物件を建築するする場合、重機が入り込めないと建築資材の運び込みを人力で行うことになり、その分の手間賃が加算されてしまいます。また駐車場とする場合は、通路幅が車幅ギリギリだと、利用者から敬遠されてしまいます。
活用方法とポイント
以上の特徴を鑑みると、一番適しているのはバイクや自転車の駐輪場と言えるでしょう。通路幅が最低2mあれば、車同士のすれ違いは無理ですが、バイク同士なら十分に行えます。
もちろん通路幅が十分に広く、賃貸需要が望める立地であれば、アパートやマンションを建設し賃貸運営ということもありでしょう。
逆に、当然ながら前面道路から視認されにくいため、飲食店や店舗、サービス施設などに利用するには不利となります。ただし、いわゆる隠れ家的な店として演出するのであれば、むしろ適しているとも言えますが…。
🔸変形地
変形地でも建物を建てられないとは限りませんが、整形地とは異なる工夫が求められるので、建設費用が高くなる傾向にあります。駐車場やトランクルーム置き場などの活用方法なら、変形地でも問題なく始めやすいでしょう。
-土地活用する際の注意点-
変形地に一戸建て住宅を建てる場合、ハウスメーカーなどで用意されている規格住宅では上手くマッチせず、建物の形状もその敷地に合わせて設計したフルオーダーの注文住宅にしなければならないことが大半です。それゆえに個性的な物件となりますが、費用は高めとなってしまうことがほとんど。
そして、そうした変形地や狭小地に賃貸住宅を建てる場合も、同じ事が言えます。土地活用として賃貸物件経営を行う場合、物件の建築費が初期投資として大きな負担となるのはご存知の通りです。
変形地で賃貸経営を行う場合、物件建築費が高額になる分が、家賃収入でカバーできる範囲なのかを、しっかりと見極める必要があります。
活用方法とポイント
一方、そうした変形地でも有効に土地活用が行える方法として注目されているのがトランクルームです。敷地の形状に合せてトランクルームとなるコンテナや物置の配置をアレンジできる自由度が高く、また狭小地の場合でも、コンテナの2段重ねなどにより床面積を倍増させることもできます。
またバイク専用のコンテナを用いて、シャッター付きバイク月極駐車場とすることもできます。
もうひとつは駐車場。ただし、変形地の場合、必ずデッドスペースが生まれてしまいます。そこで、上記のコンテナルームと組み合わせることで、より効率的な土地活用が行えます。なお、これらの場合、車でのアクセスのしやすさという点が重要になってくることも留意しておいてください。
🔸狭小地
狭い土地でも、自動販売機や野建て看板など、いくつかの活用方法があります。狭小地はなかなか売れない傾向がありますが、隣の土地オーナーなら、自分の土地が広くなるというメリットがあるので、購入してくれるかもしれません。
-狭小地の土地活用の注意点-
建物を造らない土地活用は収益性が低い
建物を造らずに土地活用をすることを「暫定利用」といいます。暫定利用は収益性が低い傾向にあると把握しておきましょう。この記事で紹介している土地活用のアイデアは、建物への投資が不要な「暫定利用」に該当します。
収益性を高くするためには、建物を造ることを検討することが重要です。狭小地だからと最初から諦めるのではなく、工夫すれば収益性の高い建物が建てられないかどうか、よく検討しましょう。
ただし建物を造るには大きな金額を投資する必要があり、将来的に他の活用方法に変更しにくくなる点でも、リスクが高くなります。建物を造らない暫定利用は収益性が低いとはいえ、投資金額が少なく、すぐに別の活用方法に変更できるため、低リスクで土地活用したい人にとってはメリットがあるのです。
エリアによっては規制がある
土地は、エリアによって、活用方法の規制があるという点も把握しておきましょう。前述のとおり、土地活用で収益性を高めるには建物を造れるかどうか検討することが大切ですが、そもそも「建物を造ることが禁止されたエリア」の場合はその選択肢は除外されます。特に「市街化調整区域」に該当するエリアについては注意が必要です。
市街地から外れた郊外のエリアでは、建物が増加を抑制するために、「市街化調整区域」として指定されているケースがあります。この区域に指定されている土地は、原則的に建物を建てられません。
自分の土地が市街化調整区域に指定されているかどうかは、管轄の役所の窓口やインターネットで確認できます。
野建て看板についても、屋外広告が禁止されているエリアでは選択できない活用方法です。検討している方法が、自分の土地では禁止されていないかどうか、事前に確認しましょう。
🔸30坪の土地
30坪ほどの土地は、少し狭いとはいえ、いくつかの活用方法があります。工夫次第では狭小アパートや戸建住宅を建てられるでしょう。コインパーキングとして活用すれば、車2~3台分のスペースは確保できるはずです。
30坪の土地活用の注意点
暫定利用は収益性が低いことが多い
上記の土地活用のアイデアのうち「トランクルーム置き場」「月極駐車場」「貸し農園」の3つは、建物への投資をしなくても始められます。建物への投資をせずに土地活用をする方法は「暫定利用」と呼ばれ、リスクが低いものの「収益性が低くなる」という点は把握しておきましょう。
30坪の狭い土地では、建物を造りにくいため、暫定利用を選択しやすいかもしれません。とはいえ収益性を高めるには、「アパート建設」や「戸建賃貸」など、建物に投資する活用方法を検討することが大切です。
ただし収益性が高くなると、リスクも高くなるのが投資の常識。土地活用においても、建物への投資がともなう活用方法は、投資金額が大きくなり、失敗した場合の路線変更もしにくいという点で、暫定利用よりもリスクが高くなります。
リスクと収益性のバランスを考えて、自分の目的に合った土地活用の方法を選ぶことが大切です。
都市計画法で規制されているエリアもある
建物への投資がともなう土地活用を選ぶ際、その土地のあるエリアが、「都市計画法」によって建物を造ることが禁止されていないかどうかを確認しましょう。特に都市計画法の「市街化調整区域」に該当するエリアでは、原則的に建物を建てられません。
市街化調整区域とは、建物が増えて市街化することを抑制する区域で、市街地から遠い郊外のエリアがこの区域に指定されていることが多くあります。
自分の土地が市街化調整区域に該当するか分からない場合は、管轄の役所に問い合わせてみてください。窓口は市区町村によって異なりますが、「都市計画課」などが担当です。役所のホームページで、市街化調整区域に関する情報が公開されていることもあるので、確認してみましょう。
🔸40坪の土地
40坪ほどになると、土地活用の選択肢は、かなり広がります。アパート・マンションはもちろん、事業用の建物を造って、貸し店舗・事務所としての活用も可能です。借地として活用しても、40坪の広さがあれば借り手が付く可能性は十分にあるでしょう。
40坪の土地活用の注意点
リスクとリターンのバランスを考える
どの採用方法を選ぶか検討する際には、リターン(収益性)とリスクのバランスをよく検討しましょう。アパートなど「建物に投資する方法」と、駐車場など「建物に投資しない方法」の両方を紹介していますが、両者にはリスクとリターンという点での大きな違いがあります。
建物に投資する場合、初期投資が大きくなることでリスクが高くなりますが、収益性が高くなる傾向があります。
一方、建物に投資しない場合は、すぐに他の用途に軌道修正しやすいという点でリスクが抑えられますが、収益性が低くなるのが特徴です。これは暫定利用とも呼ばれ、他の用途に使うまでの暫定的な土地活用としても利用されます。暫定利用の場合は
固定資産税をまかなう程度に収益が出ればよいという考え方もできるでしょう。
法規制を確認する
40坪の土地は活用方法の選択肢が多いとはいえ、「活用方法を自由に選べる」わけではありません。「法規制」に違反しないかどうかの確認が前提です。アパートや戸建住宅、貸し店舗などの建物に投資する土地活用については、「都市計画法」に違反しないかを確認する必要があります。
例えば、都市計画法の「市街化調整区域」に該当する土地には建物を造ることができません。「低層住居専用地域」など、建物の高さに制限があるエリアもあります。
そして「建築基準法」の確認も必要です。建ぺい率や容積率などの基準を満たした上で、収益性の高いアパートやマンションを建てられるかどうかを確認する必要があります。
🔸農地の転用には手続きが必要🔸
土地の使用方法を変えるには、地目の変更の手続きが必要になります。例えば農地だった場所にアパートや戸建住宅を建てたり、駐車場にしたりする場合、「農地転用」の手続きをします。宅地は農地よりも固定資産税が高くなることが多いので、きちんと手続きしなければ、税金逃れとみなされる可能性があるので注意しましょう。
宅地だった場所を農地に変更する場合も地目を変更する手続きをしないと、宅地としての固定資産税が課されたままになってしまいます。
土地の活用方法を変更する場合は、必要な手続きについて事前に確認しておきましょう。
あやめ不動産は土地開発事業・農地・不動産の有効活用・相続対策・空き家の売却・事業用用地・マンション用地など多岐にわたり、賃貸や管理等は取扱わないため不動産売買に特化した不動産業者になります。
また、播磨・阪神エリアに不動産をお持ちの方で住まいが遠方になる方からも、相談をお受けする事があり、遠隔地の方の売買相談もお受けいたしております
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