「相続予定の不動産があるが利用する予定もないので売却したい」「相続不動産を現金化しておきたい」
という場合どのようなタイミングで売却するのがよいでしょうか。
特に、相続前と相続後では、相続手続きや税金の側面から大きな差が生じる可能性があります。
不動産を売却するタイミングについても事前に考えておくことが大切です。
相続前に不動産売却を行う場合
-遺産分割のトラブルを避けることができる-
相続後に不動産を売却する場合、相続人が複数いると、遺産分割にあたってトラブルになる可能性があります。
不動産は公平に分割することが難しく、一人が相続して他の相続人に代償財産を渡す場合、代償財産の算定や資金確保などの
問題が生じることがあります。
相続前に相続予定の不動産を売却して現金化しておくことで、遺産分割手続きが円滑に進みやすくなり
相続人同士のトラブルを避けられる可能性があります。
-相続手続きを円滑に進められる可能性が高まる-
相続前に不動産を売却することで、円滑な相続手続きが可能になります。
相続人の間で遺産分割トラブルが発生する可能性がある場合や、代償財産の確保が難しい場合などは
相続前の売却のメリットが大きいと言えるでしょう。
自己居住の不動産で売却益が生じる場合には、マイホーム特別控除の適用を受けるために、住まなくなってから3年以内に
売却することを検討してみると良いでしょう。
ただし、税金面からは相続後の売却の方が有利な場合が多いと言えます。
現金を相続するよりも、不動産を相続する方が、相続税の課税評価額を圧縮もしくは軽減できる可能性が高く
相続税が安くなる傾向があるからです。
相続後の売却は3年以内
相続税の取得費加算と、空き家の特別控除の適用は、相続日から3年以内に売却することが条件になっています。
相続税の納付があった場合や、空き家の特別控除の適用を受けられる他の条件が揃っている場合相続後3年以内に
売却することが一つの目安となります。
なお、小規模宅地等の特例の適用は、配偶者以外の場合、相続税の申告期限まで所有することが条件になっています。
この特例の適用を受けられる他の条件が揃っている場合、相続税の申告期限までは売却しないことも検討してみると良いでしょう。
相続予定の不動産を売却するタイミングは、相続の事情によっては、トラブルを避けるために相続前に現金化した方がよいこともあります。
しかし、税金面からは、相続税の財産評価額を圧縮することができるため、相続後に売却する方が有利なケースが少なくありません。
特に、小規模宅地等の特例が適用できる場合は、相続税の税額が現金で相続するよりも大きく軽減される可能性があります。
参照:相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)|国税庁 (nta.go.jp)
また、資産運用の観点から、建物の老朽化によって資産価値が落ちたり、大規模修繕が必要になったりして
売却を検討したいタイミングもあります。相続予定の不動産の売却タイミングは、相続の事情、税金面、資産運用面を
総合的に検討して判断することが大切です。
不動産のように相続人の間で分けにくい財産の占める割合が大きいと遺産分割でトラブルとなる原因となります。
また、相続税が発生するようであれば、納付期限までに遺産を決めておかないと、「相続税の軽減措置」も受けることができません。
そういった事が無いように相続診断士の資格を持つ不動産屋に相談してみませんか?