遺産分割協議書はなぜ必要?
遺産分割協議書は、相続人全員で遺産の分割方法を合意した内容を正式に文書化するために必要です。
この書類は、相続人間の合意を法的に証明するもので、後々のトラブルを防ぐ役割を果たします。
特に、不動産や預貯金などの名義変更、金融機関での相続手続きには、遺産分割協議書が不可欠です。
協議書がないと、これらの手続きが進まないだけでなく、相続人間で意見の相違が生じた際に紛争に発展する可能性もあります。
また、遺言書がない場合や、遺言書の内容だけでは財産の分割ができない場合にも、協議書の作成が求められます。
遺産分割協議書は相続手続きを円滑に進めるための重要な書類です。
遺産分割協議の進め方

相続手続きは、早いうちから準備を進めることで、トラブルを回避し、円満に解決することができます。
特に、遺産分割協議は、相続人全員の合意が不可欠なため、事前の準備が非常に重要です。
遺言書の有無を確認する
遺産分割手続きにおいて、まず重要なステップは遺言書の有無を確認することです。
遺言書がある場合、その内容に従って遺産を分けますが、相続人全員が合意すれば遺言書に従わない分割も可能です。
遺言書が自宅や貸金庫に保管されていることが多いため、亡くなった方の身の回りを確認することが重要です。
また、2020年から法務局での遺言書保管制度が始まり、公正証書遺言であれば公証役場で検索することも可能です。
相続人を調査・把握する
相続人を調査・把握することは、相続手続きの第一歩です。
相続人を特定するためには、まず被相続人の戸籍を出生まで遡って収集し、法定相続人全員の現在の戸籍を確認する必要があります。
特に、兄弟姉妹や甥・姪などの相続人がいる場合は、詳細な調査が必要です。
さらに、法定相続情報証明制度を利用すれば、戸籍謄本の代わりに証明書を取得でき、手続きをスムーズに進めることが可能です
相続財産を調査・把握する
相続財産を調査・把握することは、円滑な相続手続きのために欠かせません。
相続財産には、預貯金や不動産、有価証券などが含まれます。
預貯金の調査は、通帳やキャッシュカード、金融機関からの郵便物を確認することで進めます。
また、不動産に関しては、固定資産税の明細書などを確認することが一般的です。
さらに、株式やネット証券を所有している場合は、証券会社や関連する書類を確認する必要があります。
遺産の分け方を話し合う
遺産の分け方を話し合う際、まずは相続人全員が協力して、被相続人の遺産をどのように分けるかを決めることが重要です。
遺言書がある場合はそれに従うのが基本ですが、全員の同意があれば遺言書と異なる分割も可能です。
話し合いの中では、不動産や預貯金、株式などの異なる種類の財産をどう分けるか、そして誰が何を相続するかを決定します。
公平な分配を目指しつつ、感情的な対立を避けるために、必要に応じて専門家の意見を参考にすると良いでしょう。
遺産分割協議書を作成する
遺産分割協議書は、相続人全員が合意した遺産分割の内容を正式に記録した書類です。
協議書には、各相続人がどの財産をどのように相続するか具体的に記載され、相続人全員の署名と押印が必要です。
これにより、後に発生する可能性があるトラブルを防ぎ、法的な効力を持たせます。
また、協議書を作成しておくことで、財産の名義変更や相続登記の手続きを円滑に進めることが可能になります。
作成時には、専門家に相談することが推奨されます。
各相続財産の名義変更を行う
相続財産の名義変更は、遺産分割協議が完了した後に行う必要があります。
財産の種類によって手続きは異なります。
例えば、不動産は法務局で相続登記を行い、預貯金は各金融機関で名義変更の手続きをします。
これらの手続きには、相続人全員が署名・押印した遺産分割協議書や、被相続人の死亡を証明する戸籍謄本などが必要です。
迅速な手続きを行うために、専門家の助言を受けることが推奨されます。
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