土地売却で発生する主な税金とそのタイミング
土地を売却するときには、いくつかの税金が発生します。
これらの税金は、どのタイミングで支払う必要があるのかを事前に理解しておくことで、資金計画をしっかり立てることができます。
売却契約時、登記のとき、そして翌年の確定申告で支払う税金について順番に見ていきましょう。
売買契約時に発生する「印紙税」
印紙税は、不動産の売買契約書に貼付する印紙にかかる税金です。
土地の売買に限らず、金銭が発生する契約書には印紙を貼る義務があります。
この印紙税の額は契約書の記載金額に基づいて決まります。
例えば、1,000万円から5,000万円の契約では1万円、5,000万円から1億円の契約では3万円が必要になります。
契約書を2通作成する場合、どちらにも印紙を貼る必要があるため、売主と買主で負担するケースもあります。
登記の際に発生する「登録免許税」
土地の名義変更に伴い必要となるのが「登録免許税」です。※登録免許税の税額表|国税庁
これは、不動産登記にかかる費用で、通常は買主が支払いますが、登記内容によっては売主も一部負担する場合があります。
売買に伴う登記が済むことで、法的に名義が移転されたことが証明されます。
翌年に支払う「所得税・住民税」
土地を売却した場合、譲渡所得が発生すれば、翌年に「所得税」と「住民税」を支払う必要があります。
譲渡所得は、売却額から取得費や譲渡費用を差し引いた純利益に対して課税されます。
所有期間が5年以下の場合は短期譲渡所得として約40%の税率、5年を超える場合は長期譲渡所得として約20%の税率が適用されます。
注意点として、所得税や住民税は確定申告が必要です。
売却を行った翌年の2月16日から3月15日の期間内に申告しないと、延滞税や加算税が発生する可能性があるため
早めに準備をしましょう。
譲渡所得の計算方法と節税対策
土地を売却して得られる譲渡所得は、単純に売却価格そのものではなく、取得費や譲渡費用を考慮した上で計算されます。
ここでは、譲渡所得の計算方法と、知っておくべき節税対策を詳しく解説します。
譲渡所得の基本計算式
譲渡所得の基本的な計算式は次の通りです。
譲渡所得 = 売却価格 – (取得費 + 譲渡費用)
※取得費:土地を購入した際の価格や、その際にかかった仲介手数料、登記費用などが含まれます。取得費の計算が困難な場合は
売却価格の5%を取得費とみなすことができます。
※譲渡費用:土地の売却に伴う仲介手数料や測量費、解体費用、広告費などが譲渡費用に該当します。
これらを差し引いた金額が譲渡所得となり、この金額に対して税金がかかります。
売却による利益があまり出ていない場合は、税負担を軽減できる可能性があるため、取得費や譲渡費用はできる限り正確に
計算しましょう。
特例を活用した節税方法
譲渡所得にかかる税金は、いくつかの特例を活用することで節税できます。
以下の特例を最大限活用して、税負担を軽減しましょう。
・3,000万円特別控除:マイホーム(居住用不動産)を売却する場合、譲渡所得から3,000万円までを控除できる制度です。
これにより、多くの場合、税金がかからなくなるか、税負担を大幅に軽減できます。
・取得費加算の特例:相続した土地を売却する際、相続税を取得費に加算できるため、課税される譲渡所得を抑えることが
できます。相続後、3年以内に売却した場合に適用されるため、売却のタイミングも重要です。
・住宅ローン控除:売却した土地に住宅が建っていた場合、特定の条件下で住宅ローン控除を適用できます。
土地売却を成功させるためのタイミング
土地の売却にはタイミングが重要です。
特に税金面で大きな差が出ることがあるため、どのタイミングで売却するのが有利かを理解しておくことが成功の鍵となります。
長期譲渡所得を狙う
土地の売却時、所有期間が5年を超えると税率が半分以下になる「長期譲渡所得」が適用されます。
この税率は約20%(短期譲渡所得は約40%)で、所有期間が短い場合に比べて税金を大幅に節約することが可能です。
そのため、売却を急ぐ理由がない場合は、5年を超えてから売却する方が得策です。特に、購入後4年半や、5年近く経っている
場合は少し待つだけで税率が半減するので、計画的な売却を心がけましょう。
土地の価値を上げる工夫
土地をより高額で売却するためには、少しの工夫が必要です。
例えば、土地の状態を整えて、雑草を取り除いたり、簡単な清掃を行ったりするだけで、購入希望者に好印象を与えることができます。
さらに、土地に関する詳細な資料(地積測量図や境界確認書)を準備しておくことで、購入者が安心して取引を進めやすくなり
結果的に高額で売却できる可能性が高まります。
土地の売却は、一度きりの大きな取引となるため、税金に関する知識を事前にしっかりと身につけ、無駄な負担を避けることが
重要です。しっかりと準備を整え、タイミングを見極めながら、後悔のない土地売却を目指しましょう。
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