遺産分割協議とは?
遺産分割協議とは、遺産を相続する権利がある人が集まり、
誰が、どの財産を、どのくらいの割合で相続するのかを話し合う手続きです。
民法第907条第1項によると、複数の相続人が存在する場合、
「共同相続人は原則としていつでも協議で遺産の全部または一部の分割をすることができる」
と定められています。
★遺産分割協議は、必ず相続人全員で行う必要があります。
相続人が1人でも欠けた状態で決めた事項は無効です。
また、相続人のなかに未成年者がいる場合は、その代理人の参加も求められます。
ただし、必ずしも相続人の全員が一堂に会して協議を進行する必要はありません。
遠方に住んでいる、仕事の都合で参加できないといった事情があれば、
電話・メールなどを使って話し合うことも可能です。
数人の協議によって決まった案を、
相続人の誰かが持ち回って協議に参加できなかった相続人から承諾を得る方法でも
「協議があった」とみなされます。
つまり、重要なのは「相続人の全員が合意している」という事実です。
ほかの全員が賛成していても、誰か1人が反対していれば遺産分割協議は成立しません。
遺産分割協議がまとまらないなら調停をする
どうしても話し合いがまとまらない場合は「遺産分割調停」を申し立てることになります。
調停においても話がまとまらない場合には審判が行われ、
審判でも決着がつかない場合は、裁判へと移行していくことになります。
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相続不動産の遺産分割方法
遺産分割の方法として、下記の4つがあげられます。
①現物分割
不動産を相続分に従ってそのまま分割する方法です。
もっともわかりやすいのは分筆登記でしょう。
ひとつの土地を文筆して複数にわけることで、
わけにくい不動産でも分割が可能です。
また、土地は配偶者が取得し、
子どもが借地権を取得するといった方法も現物分割のひとつだといえます。
②代償分割
代償分割とは、相続人のひとりが不動産を取得し、
ほかの相続人は不動産の価額を分割した金銭を取得する方法です。
「価額賠償」とも呼ばれます。
たとえば、価額2,000万円の土地をAとBの2人で相続する場合には、
Aが土地のすべてを取得し、Bに2,000万円の1/2にあたる1,000万円の金銭を支払います。
③換価分割
不動産の全部あるいは一部を売却して金銭に換えたうえで分割する方法です。
分割しにくい相続財産の分割方法としては、もっともよく利用されている手段だといえるでしょう。
④共有分割
不動産そのものを分割せず、各相続人がもつ相続分に従って共有する方法です。
持ち分に従って各相続人が権利を分割しますが、
あまりおすすめできる方法ではありません。
共有分割をした不動産は、相続人全員の承諾がないと売却できないため、
後々の処分が難しくなります。
相続人同士の仲が良いうちはとくに問題にもなりませんが、
仲違いをしてしまうと共有分割をしたことが災いになるでしょう。
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まとめ
遺産分割協議は相続人の間でトラブルに発展しやすく、
親族間の関係に亀裂が生じてしまう原因にもなります。
各相続人がそれぞれの自己都合だけを主張していては円満な解決は期待できません。
法律の定めに従い、各相続人の事情を公平に取りまとめて調整できる役割が必要です。
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